元受刑者が語る「塀の中の生活」

健全な方はまず行くことのない刑務所の内情を綴ったブログです。

逮捕から受刑者になるまで

私は過去に傷害事件を2度起こし、刑務所に収監されました。

まず、逮捕については皆さんもTVなどでご存知と思いますが、

警察署の留置所に身柄を拘束された状態の事を指します。

 

 

逮捕の種類としては、

①通常逮捕:被疑者宅等に警察官が訪れ、逮捕状を示したうえで逮捕するパターン。

      窃盗罪や薬物犯罪に多いとされてるらしい。

②現行犯逮捕:犯罪の現場を発見、すぐさま取り押さえるパターン。

       傷害、殺人といった、いわゆる「強行犯」と言われる犯罪に多い。

緊急逮捕:罪を犯した現場を見たわけではないが、明らかに罪を犯した者を逮捕する。

 

私の場合は②の現行犯逮捕により警察署に留置されました。

 

【逮捕されてから】

まず、逮捕されてからの48時間、そして検察庁に身柄を送られてからの24時間は、

留置所にて生活しなければなりません。

警察は私達被疑者を逮捕したら、この72時間の間に「勾留請求」というものを申請します。

これは何かといいますと、「被疑者をこのまま留置所に勾留するかの判断を行う」審査のようなもの、と考えてくださって結構。

勾留されるケースとしては以下の3つの条件のうち、一つでも当てはまればまずアウトです。

 

①定まった住居を有していない

ニュースなどでよく見る「住居不定」と言われるものですね。

②証拠隠滅のおそれがある

これは読んで字の如し、です。

また、私のような強行犯が、被害者に復讐を企てる恐れがある場合もこれに該当します。

③逃亡のおそれがある

これも読んで字の如しですね。

 

先に述べたとおり、私の場合は②に該当したため、勾留延長されることとなりました。

勾留が許可されたら、許可された日から10日間、取り調べの都合で延長する必要がある場合は更に10日間、留置所に勾留されることとなります。

 

【留置所内の生活】

一日の流れはこんな感じです。

6:30 起床・寝具引き上げ~洗面

居室内には洗面台がない(タオルやシーツ等で自殺するのを防止する目的だそう)ため、

1居室ずつ交代で行われます。

 

7:00 朝食

私がいた留置所では菓子パン2個+牛乳(またはコーヒー牛乳)でした。

 

7:40 運動

といっても外で出来るわけなどなく、留置所内の小さな部屋(一応吹き抜けなので僅かながら日の光は入る)で行います。

喫煙者はこの時間に限り、1日2本のみ喫煙出来ます。

また、髭剃り・爪切りもこの時間に行えますが、基本使い回しなので不潔です。

(一応アルコール消毒はしているとのことらしい……してたところを見たことないが)

 

8:00~11:50

取り調べ、現場検証、検事の取り調べなど。

それらが無い場合は自由時間となります。

新聞が読めたり(時間制限あり)手紙が書けたり、あるいは備え付けの小説や、

自費で買った雑誌なども読めます。

 

11:50 昼食

いわゆる仕出し弁当のような弁当でした。

お金がある方は自費で弁当やうどん、おかず、カップ麺なんかを買うことが出来ます。

 

12:00~13:00 ラジオ視聴

ほぼFM放送でした。

この時間から、自費で買ったお菓子を食べることが出来ます。

とはいえ、何でも買えるわけではなく、警察署と連携した業者が指定したものしか買えません。

 

13:00~17:10

午前と同様、自由時間または取り調べ等の時間。

因みに外部との面会はこの時間内にしか出来ません。

但し、弁護士とは裁判等の打ち合わせのため、就寝時間を過ぎていても面会可能です。

 

17:10 夕食

昼食とほぼ同じです。

 

17:20~18:30

昼食後と同様にFM放送が流れます。

但し、その日の留置所内の担当職員によっては野球放送になったりすることも。

また、この時間に起床後と同様、部屋単位で洗面を行います。

 

19:00

ボールペンや備え付けの本を借りている方は、

この時間に返却します(隠し持っていると懲罰になります)。

 

19:10 捜検・寝具入れ

「捜検」とは、要は居室の検査です。

隠し持っているものがないか、落書きがないか等を徹底的に検査します。

寝具も例外ではなく、布団の中に何か隠していないかなどを全てチェックされます。

この間被留置者は一旦居室外にて待機、居室に戻る前に身体の捜検を受けた後、

居室に戻って就寝の準備、となります。

 

19:20~21:00

就寝までの自由時間です。

一応本を借りることもできます。

また、睡眠薬などの投薬を受けている方は、就寝30分前に服用します。

 

21:00 消灯

 

以上が一日の流れとなります。

なお、入浴は週2回(夏場は週3回)、洗濯は入浴時に行うか、

面会の際に一旦面会人に持って帰ってもらい(「宅下げ」という)、洗濯してもらった後に再度差し入れしてもらうかします。

 

留置所生活でなにが辛いかというと「やる事がない」、これに尽きます。

勿論犯した罪について反省する時間、と考えればいいのでしょうが、それを差し引いても暇なのです。

私はひたすら本を読んでるか、体力が落ちない程度に筋トレをしていました。

但し、運動については職員に見つかると怒られるため、目を盗んでやっていましたが(笑)

 

次回は起訴されてからの流れについてお話ししましょう。

では今日はこれにて。

刑務所の中

皆さんは「刑務所」と聞いて、どういうところを連想するでしょうか?

自由がなく、ヤクザや薬物中毒者の集まり、というところを想像するでしょうか?

 

今回は過去に受刑生活を送った私が、塀の中の生活の実態について、

稚拙ながら記してみようかと思う。